尚未签到
浮云:0
金钱:0
精华:0
贡献:0
精华贴:0篇
阅读权限:10
注册时间: 2017-10-16
在线时间: 11 小时
最后登录: 2019-3-8
|
微重口注意【作者:夏目棗】
滅菌済みと書かれた袋の中から、ぼくは外を眺めていました。
外は巨人の世界。目の眩むほど巨大な、女性の世界です。対してぼくは、一センチ程度の小人の端くれ。白衣をまとった女性の、道具の一つです。
女医さんが、今日もぼくを摘み上げました。
そして銀のトレーへ袋のまま寝かせると、お仕事を始めます。
「はい、次の子どうぞ」
「よろしくお願いしまーす!」
元気な声とともに、まだあどけない少女が入ってきました。
「あら、挨拶できてえらい子ね」
「ふふ、だってわたしお姉さんですもん」
誇らしげに胸を張るのは、10歳に届くか届かないかの小学生。くりくり愛らしい目と細い髪は色素が薄くて、天真爛漫な少女と言った感じです。
今日は、あの方がぼくのご奉仕する女の子のようです。
歯医者さまと患者さま。そして補助道具のぼく。役者はそろい、お仕事の時間です。
「アイです。今日はよろしくお願いします!」
「はい、よろしくね。あと、今日は小人も使うから、そのつもりでね?」
「小人……?」
そして、巨人二人の視線がぼくに降り注ぎます。
「あ、あのっ! 23番です! 今日はよろしくお願いします!」
上ずった声で、アイさんに叫びました。届いているのでしょうか、空気に声が拡散してしまった気がします。
「小人を口に入れてね、歯を点検させるの。ちっちゃいでしょ? でも人間だから、こうして働かせてやってるわけ」
「ふーん……」
しげしげとぼくを見つめるアイさん。小人を使った歯科検診は初めてなのでしょうか。
と、グーっとお腹を鳴らすアイさん。大丈夫でしょうか。最近は、こっそり男の子を食べちゃう人もいるといいます。そんな性癖、こんな幼い女の子にないと信じたいものです。
「あらあら、お腹減っちゃった? じゃあ早速始めちゃうね? ほら、手のひらに乗っけて。そうそう、そのまま口に入れるの……」
両手を口の前に持ってくると、アイさんは口を大きく開きました。
「あーー」
ぼくの前に、ぬらぬらした洞窟が広がりました。口蓋垂までよく見えます。そして、ぼくのベッドさえ舌先に乗ってしまうような、大きな大きなベロ。幼い女の子のものとはとても思えません。
ぼくはプニプニした唇に手をかけると、その中に入っていきます。ムッと口の中の蒸し暑さがぼくを包みます。そして歯を乗り越え、ベロの上に座り込みました。
口の中から歯を見上げた人なんて、そうそういないでしょう。これは、食べられたものの見る光景です。すこし辛そうにピクピク味蕾の絨毯が震えて、天井からはたらりと唾液の糸がぼくの頭を包みました。
もう、アイさんのツバでベトベトです。
ぼくは上の歯を見上げて、虫歯がないか確認していきました。
「EからCまで……」
あとはいつもの通りです。アイさんの歯は綺麗なので、あまり問題はありません。どちらにせよぼくらは、念のために使われているだけです。女の人が入念に見るための前準備、その程度のお仕事です。
ぼくはアイさんの舌に寝そべって、下の歯も確認していきました。その鋭い乳歯に触れながら。アイさんの唾液が降り注ぐ中。
その時です。
「あ、あれ?」
「アイちゃん、ぺっして、ペッ!」
俄かに舌が持ち上がりました。ぼくを乗せたまま、軽々と。大きく傾き急勾配になると、濡れる繊毛をぼくは滑り落ちてしまいます。
そして喉奥に転げ落ちると、
「んっ…く」
口全体が大きくうねり、ぼくを連れ去ります。足が、腰が、みるみる大蛇のようなアイさんの食道へ……。
「っぷはっ!」
そしてコクリと喉を鳴らすと、食道から絞り出されるようにぼくは胃へと押し出されてしまいました。
そこは胃酸の水たまり。ギュッとぼくに抱きつく胃壁が、ヒリヒリ肌を炙ります。
「先生、アイちゃん、出してよ! 消化されちゃう! 死んじゃうよぉ!」
「大丈夫大丈夫。ちょっと待ってね」
ゴキュゴキュと、あどけない嚥下の音が胃に響き渡りました。そして、壁に水が伝わり始めたと思うと、いきなり食道から大量の水が落ちてきたのです。
「……ふぅ!」
「全部飲めた? えらいえらい!」
「ふふ、そんなに子供じゃないですもん。でもこのお薬なんですか?」
「これはね、小人さんをアイちゃんの胃液や腸から守るお薬なの。アイちゃんの体は強いから、小人さんの体をすぐ溶かしてアイちゃんの栄養にしちゃうんだ。でもこれなら、小人さんもアイちゃんの体を通り抜けられるってわけ」
「へー、じゃあ今日は、わたしの中にはずっと小人さんが住んでるってことですか?」
「その通り!」
ぽんぽんと頭でも撫でられているのか、嬉しげにアイさんが体を揺すりました。すると当然、ぼくを飲み込んだ胃も揺れ動く訳で……。
「あははっ! 先生聞いて聞いて! わたしのお腹がちゃぽちゃぽ言ってます! わたしのお腹に耳を当てたら、小人さんの声聞こえるかな」
「ふふ、そんなに揺らすと小人さん目を回しちゃうわよ? あーでもほんと、お腹の中で助けてーって声が聞こえるね。ふふ、出してもらえるわけないのに」
「わたしが今日は小人さんのお家だもんね」
クスクス女の人の笑い声が聞こえてきます。胃の壁にすがって助けを呼びますが、叫んでも壁を叩いても救いなんてきません。粘膜の肉厚な壁は叩いても鈍い水音を立てるだけです。お腹までを浸す水はぼくの体をぐらぐら揺すって、アイさんの胃のあちこちへと叩きつけました。そのあどけない声は胃で大きく反響して、いやでもここがどこなのかを思い出させます。
「ねぇ、この子先生に返さなきゃだめですか?」
「欲しいの?」
「うん。気に入っちゃいました」
「いいわよ、小人さんはたくさんいるし、ちゃんと飼うって約束するならアイちゃんにあげる。いいわね?」
「はい!」
やったと言って、自分のお腹を撫で下ろすアイさん。
「そんな、やめて、戻してよ! ねえ、ぼくをどうするつもり!?」
けれどそんな叫びも虚しく響いて、ぼくは幼女の胃に閉じ込められたまま、彼女のものとして売り渡されたのでした。
§
後は地獄でした。
考えてもみてください。
食べられたのですよ、人間に。それも怪獣さえ踏み潰せそうな巨大な少女。消化管に遠慮なんてありませんから、ありったけの蠕動運動でぼくに食らいつきます。アイさんの体にとってぼくは単なる栄養源。きっとアイさんにとっても、食べ物のようなものなのでしょう。そのお腹の中で、アイさんの一歩一歩を感じます。とんでもない重量が動いているのが、ここからだとよくわかるのです。そして絨毛はぼくの首や腿、口の中を撫で回し続け、グネグネくねりながらぼくを上へ、下へ、右へ、左へ。大腸と小腸の腸壁の違いも、腸か他の臓器に圧迫されているのもわかりました。
そして時々、アイさんは尋ねるのです。
「小人さんはどこかな? ここ? それともこっち? ふふ、後でちゃんとトイレしてあげるから待っててね。小人さんは消化もしてもらえずに、そのまま出されるの。悲しい? 悲しいよね? わたしの栄養にもしてもらえないのは悲しいねー。今わたしはお腹に手を当ててるの。そしてあなたはその手のひらの奥。男の子のあなたは、こんなちっちゃなわたしに食べられてトイレされちゃうんだよ? たのしみでしょっ」
そんな言葉が、何度も何度も。
そして最後の言葉はこうでした。
「小人さん、今出してあげるね? おトイレで、ちゃんとお尻から出してあげる。お礼なんていいのよ? あなたはわたしの汚物みたいなものだもの。排泄するのは当たり前。ね? わたしのお尻の穴で、握りつぶさないでね」
そして、その排泄が始まりました。
「んっ~~!」
ぼくを排泄しようと腸壁が締め付けてきます。ニチッ、ニチッと嫌な音。ヒクヒク口を震えさせるのは幼女の肛門で、その狭い産道を通らなければ、ぼくはこの肉の牢獄から出してもらえません。
(でもこのままじゃ、アイさんのお尻の穴に捻り潰されちゃう……!)
腸にぎゅうぎゅうに締め付けられながら、ぼくはその拷問器具に恐怖しました。でも、泣きそうになりながらも、すこしずつ、すこしずつそのシワの中へと頭が潜り込んで行くのを止めることなんてできません。
「し、死ぬ……!」
括約筋が肛門のシワを縛り上げて、ぼくを引きちぎろうと蠢きました。頭半分は外界に顔を出しているけど、肛門の万力のような力が邪魔をします。それでも無理にアイさんが力むものだから、いよいよぼくの骨は嫌な音を立てて軋み始めました。
「っく、ん~~っ!」
そして、ぼくの隙間からジェルが吹き出すと、にゅるりとぼくの体も滑り出します。アイさんの臀部の真ん中に体を突き出し、そして排泄音とともにぼくはトイレの中へとひりだされます。
「あっ!」
ミチミチ音を立てて残りのゲルが排泄されます。それはそのままぼくの上に覆いかぶさると、糞のように便器を垂れて行きました。
頭上を覆う巨大なお尻がどき、アイさんがこちらを覗き込んでいます。
「あはっ出ましたね!」
生きてますか?とアイさんが問います。返事をしなければ、そのまま流されてしまうかもしれません。ぼくは弱々しく、ゲルに塗れた腕を伸ばし、アイさんに応えました。
そんなさまをアハッと笑うと、くるりとこちらに背を向けました。
「ちょっと待っててね」
そう言って再び少女の臀部が蓋をします。
「……?」
そしていぶかしんだ途端、
「……んっ」
その未成熟のタテスジから勢いよく金色の熱水が噴き出しました。
「やめて! おしっこかけないで……!」
懇願なんて意味がありません。あっという間にぼくは鉄砲水に襲われると、香ばしいその尿をありとあらゆる穴に注ぎ込まれました。そして便器の中をかき回され、泡立つ黄色の水面にプカプカ浮かび上がったのです。
「ふふ、おしっこだけじゃないですよ?」
またもや肛門がひくつきます。そしてその奥から怪物が、さっきぼくがやっとの思いで通過した穴をいとも簡単に押し広げ、ニチニチっと汚い音を立てると、真っ直ぐにこちらへ身を乗り出してきました。
「いやだ! ウンチなんてされたくない! アイさん! アイさま! おねがっ、ぎゃあッ!!」
哀れな小人は、幼女の糞便にまみれながら、何度もその臀部に祈りました。そして二、三度それが裏切られると、もう一切の希望を捨てて、あとは震えるだけだったのです。
§
ぼくの毎日は、アイさまにすべて喰らい尽くされてしまいました。
ぼくは何度もアイさまの手のひらで逃げ惑い、その口から逃れます。小人喰いが癖になってしまった女の子。その小さな口が、あんぐり開いてこちらに襲いかかるのです。
怖がらせるように、ゆっくりゆっくり近づくお口。逃げようにも、ぼくは小さな手の上です。
ぼくは小指にしがみつきます。でも、無駄でした。
「つかまえた」
ぼくの両足に大きな唇が食らいつきます。ぼくは手のひらにすがって泣いていました。けれどアイさまは口をすぼめて、少しずつ、少しずつぼくの体を吸い込んでいきます。
「いや、いやだ、助けて、アイさま! 助けて!」
ぼくはアイさまにしか頼れません。けれどアイさまこそがぼくの捕食者。腰まで飲み込まれてしまうと、ぼくは唇に手をついてなんとか抜け出そうともがきました。それはたいそう柔らかくて、そこを走る何本ものシワが手に優しく触れます。そしてそれがムニムニ動くと、怪物みたいにぼくの体を吸い込んでいくのです。もう肩まで入ってしまいました。そして、顔全体がその柔らかなお肉の中へ沈み込みます。伸ばした手がプルプルした唇の中に包まれると、もうぼくはアイさまの口に完全に監禁されていました。
大きくうねったトロトロの大地が、ぼくをいともたやすく持ち上げます。非力なはずのそのベロも、ぼくを弄ぶのに力はいりません。舌の真ん中を背筋のように通る谷間、それがぼくを挟み込み、内頬へ押し付け、口蓋の硬さを教えてくれます。
グチュグチュと歯でも磨くように口を動かすアイさま。その中でぼくがどうなったかなんて、火を見るより明らか。広大な幼な子の口に放り込まれたまま、舐め尽くされ、唾液に溺れ、絨毛と味蕾の絨毯を転がり続けました。何度その舌を舐める羽目になったか。その唾液を飲み込み、味蕾を舌に感じ、そして絶望の涙をそこに垂らすのです。
「ほら、見えますかー?」
徐に光が差して口が開くと、ぼくを乗せたまま舌が外へ突き出されました。ベーッと舌を出すアイさま。そして、ぼくはアイさまが鏡の前に立っているのに気づきます。
「あははっ、虫さんアメ玉みたいです。わたしの舌より小さなチビ虫。チビ! チビ!」
かき氷の色に染まった舌を見せつけるように、舌先を覗かせている幼女。そんなあどけない女の子が、鏡の中で嘲笑していました。ベッと出されたいちご色の舌には、小さな小人がしがみつき、呆然とこちらを覗いているばかり。体をアイさまの唾液でヌタヌタに光らせ、滴らせ、いちご色の粘膜に抱きついているのです。散々舐めまわされた指人形のようなぼく。それが、10歳程度の幼女の舌先に乗せられていました。
ぼくを乗せたまま、からかうように舌先を上下させるアイさま。ヌルリと唾液に照るぼくが、弱々しく鏡を見つめています。
そして舌が再び口の中へと入っていきます。ぼくは手を伸ばしますが、唇の門は残酷に閉じてしまいました。あとはもう、唾液でふやけるほど口の中に閉じ込められるばかりです。
最後は、仕上げの時間です。
アイさまは口の中からぼくを引きずり出して、顔の前に持ってきました。また口からは唾液の糸が引いていて、ぼくの手足からは、よだれが垂れるばかり。
「ほら、ごっくんされちゃうよ? ちゃんとお外にバイバイして。じゃ、またおトイレでね!」
そして舌を出して上を向くと、口の上にぼくをぶら下げるのです。ぼくの下には、食らいつかんばかりに口を開いたアイさまのお顔。どう間違ったって落ちればその口の中。その恐ろしい光景に、ぼくは畏怖を禁じ得ません。
ありったけの叫びも、口の中に注がれたアイさまの唾液で遮られてしまいました。重たい手足をばたつかせると、次の瞬間にはそれは宙を掻くばかり。
ぼくを放ったアイさまの手がどんどん離れていって、眼下の赤い絨毯がどんどん大きくなります。その上に軟着陸すると、眼下には真っ黒な食道の入り口。そして、タラタラと舌の上からよだれが垂れてくると、
「んっ……」
ゴクリと大きく喉を鳴らして、ぼくを飲み込んでしまうのでした。
§
ぼくは食べ物なのでしょうか。
いえ、違います。ぼくは消化されることはありません。なら、ぼくは何なのでしょう。
アイさまと同じ人間、というのはあり得ません。アイさまはこんなに幼くいらっしゃるのに、当然のようにぼくを飲み込み、糞便まみれにして排泄します。その光景は次第に神々しくも見えて、ぼくは、やっぱりアイさまには到底及ばないのだと思い知るのです。
いえ、そう思うようアイさまが躾けたのかもしれません。
時々アイさまは、学校からおかえりになるとぼくをシャワーにお連れになりました。
そして、未発達な体でぼくの上に立ちふさがるのです。
腿の肉は薄く、どこか丸っこい印象のお身体。けれど、その霞むほど高い身長は、ぼくの百倍はありそうです。
「目上の人に挨拶はきちんとね」
バスタブに腰掛けて、足をぼくへずいと突き出しました。それは薄汚れた白靴下に包まれていて、トラックでも踏み潰せるような足です。
ぼくは白い布の中に顔を突っ込んで、そのつま先に忠誠のキスをしました。上靴やスニーカーと汗の香りがするし、顔は埃にまみれるけれど、もう慣れっこです。しっとり湿った分厚い毛布のような靴下を、ぼくは抱きしめながら口付けしました。
「ふふん、虫さんは素直だね。でも靴下は脱がさなきゃダメだよ? おバカかな? 虫さんだもんねー」
慌てて靴下のつま先を引っ張ります。けれどもちろん脱がせるなんてできるわけがありません。全身全霊で引っ張った靴下はビヨンと伸びたあと、そのゴム繊維でぼくをアイさまの足へと叩きつけました。
「うん、期待してなかったよ。ほらどいて」
指先でするりと靴下を脱ぎます。そしてのびてるぼくにそれを投げつけたのです。アイさまの足の香りで満ちた靴下が、ぼくにのしかかりました。ぼくなんて親指の形に浮かび上がった汚れ程度の大きさ。つくづかアイさまの大きさを実感します。
「はい、やり直し」
なんとか脱出したぼくを指差すように、足を差し出しました。
ぼくはその裸足にひれ伏して、恭しく手を添え、そっと口を添えました。間違いなくお美しいおみ足です。奉仕が光栄に思えるほどの造形です。細くしなやかですのに、ぼくを踏みつぶすなどつま先で十分なほどの大きさ。何かがおかしい気もしますが、どのみちぼくにはアイさましかいないのです。ぼくは喜んで舐めました。つやつやした爪を、ちょこんとした指を、指の股、足の裏、爪の隙間に至るまで。
けれどぼくの体ではそのおみ足を綺麗にすることなどできません。
そしてそんな不出来なぼくを、アイさまはきつく叱ってくれるのです。
「ふふふっ、ダメダメです! へたくそです! わたしみたいなちっちゃな子のちっちゃな足も綺麗にできない、あなたは本当に出来損ないの虫けらですね。がっかり」
そして、いつものお仕置きの時間です。
「さ、ちゃんと飲むんですよ?」
タテスジを指で開いて、ぼくをそこにお乗せになりました。ぼくは震える口をその粘膜の地面に近づけて、尿道に唇を重ねます。
「……ん」
とたん、尿道から黄金の水が溢れ出しました。ちょろちょろと湧き出すそれを、ぼくは必死で喉に流し込みます。顔全体を濡らしながら香ばしい小水に喉を鳴らし、排尿に付き合わされるのです。
けれど、ぼくみたいなチビ虫の飲めるように量を絞るなんて、巨人の、まして小さな女の子の括約筋じゃできるわけありません。すぐプルプル震えだすと、
「あっ」
一気に爆発的な量の水が吹き出して、ぼくは跳ね飛ばされてしまいました。
「ぎゃっ!」
床に叩きつけられたぼくに、弧を描いた聖水が襲いかかります。ジョボジョボとトイレの音を立て、全身をその黄色に染め上げる聖水。
「あははっ! ごめんごめん。でもちゃんと飲んでくださいねー。まだ終わってないからね!」
そして、和式便所の要領でぼくの上にまたがると、直接小水をぶちまけはじめました。
「ほら飲んで飲んでー。ちゃんと味を覚えてくださいよ? チビ虫さんのお仕事だもん、義務だよね? えへへ、まだ止まんない」
ぼくにとっては大瀑布に襲われたようなもの。巨人の影の中で聖水に地面へ釘付けにされ、無邪気に罵られながら穢されつづける。それでもぼくは従順に口を開いていました。幼女の言葉はぼくには絶対だったのです。
「ちっちゃな女の子におしっこかけられて嬉しいねー。ご褒美ご褒美! あははっ! まるでおトイレに落ちた虫さんみたいにもがいて可愛いよ。嬉しいでしょ? ね? ねっ?」
ぼくの上しゃがみこんで、アイさまは放尿を続けます。その体は山のよう。轟音はぼくを打ちのめし、この破壊的な水量がたった10歳の少女のものとは思えません。それはまさに滝でした。濛々湯気を立て、その金色を輝かせて降り注ぐ香ばしい液体。それがお体から落下してくるのですから、ぼくはそのあぶくに包まれ溺れるだけです。ここから見えるのは、太ももとお尻、そしてこちらを真上から睨みつける未成熟な尿道でした。沸騰したようにゴポゴポ沸き立つ小水の中、アイさまの偉大さだけが身に染みます。
§
ぼくの食卓はアイさまの胃の中でした。そして、ぼくのエサはアイさまが咀嚼したものでした。ジェルに包まれぼくが胃の中に叩き落とされた後、すぐさまぼくはそのゲルを全身に塗りたくり、そして頭上の食道に向かって腕を広げます。するとぼくの後にアイさまの食べたものが落ちてきて、これがぼくのエサとなるのです。アイさまの胃液に浸からないよう、胸に食べ物を受け止めます。いや、押しつぶされるのです。ぼくなんてアイさまにとってはアメ玉以下。そしてそのご飯は、アイさまが小さな口で噛んだケーキやご飯。それはぼくには巨大な山も同然でした。その唾液と混ざり合ったアイさまの咀嚼物を、ぼくはほんの少し、頂くだけです。
あとは、アイさまの中を巡る長い旅の始まりでした。幼い腸管はプリプリと弾み、絨毛は絨毯のように柔らかです。そして、細いその管はぼくをぎゅうぎゅうに、もみくちゃに、ぐちゃぐちゃにかき回し、消化しようとまとわりつくのです。蠕動と消化活動の海。10歳の幼女の腸に、暴力的な蹂躙を受ける毎日です。
アイさまは、ぼくを胃袋に閉じ込めたまま水を飲み、そしてちゃぷちゃぷ揺らすのがお好きでした。飲み込んだ小人に対して、支配を実感するのでしょう。体中に響き渡るその高い声。お腹が鳴る音に揺さぶられ、排泄音を直に聞き。お腹の上からぼくを押さえつけようとすることもありました。
そして、排泄されるのです。
ちっちゃな女の子から排泄される気持ちがわかりますか? 小ぶりな臀部から頭だけ出して、逆さまの視界の中左右に伸びる足、圧倒的な括約筋の締め付け。頭上に広がる湖は既にアイさまのもので色づいて、そこめがけて落下する瞬間。アイさまはいつも楽しげにぼくに語りかけます。汚物のような存在のぼくにお声をかけたくださる。そして便器の中に浮かぶぼくを嘲ると、またそのお尻でフタをする。後は、……言わせないでください。どさっと鈍い音、轟く水音、巨人の悦び。
心の中まで汚されたぼくは、あとは徹底的に消毒され、洗浄され、その間はお目通りすら叶いません。そして、数日してやっと禊が終わると、まずおみ足へのご奉仕を任されます。そしてお股へ、最後に、お口へ。そのローテーションが繰り返されました。
お口では、歯磨きを命じられることがしばしばでした。舌の上に乗せていただき、歯の間の歯垢を書き出したり、その両面を磨きたり。奥歯の上に寝そべれば、アイさまはぼくを甘噛みし、奥歯の間で転がし、無力感を感じさせてくれました。真珠のように硬く美しい歯に乗せられ、のしかかられ、もがいてもがっちりかみ合わさった歯はぼくを離しはしません。噛み潰される、そう思った時、やっと解放してくださるのです。あとは、スイカの種のように吐き出されたり、マウスウォッシュでグチュグチュとかき回されたり、飲み込まれたり。この、お口へのご奉仕が唯一、アイさまのお役に立てることでした。
ですので、あとのご奉仕は、いわばお姫様のちょっとした遊びのようなもの。
例えば、ペットボトルの中にぼくを入れ、その虫のような姿をじっくり観察します。そして、わざと鏡に映る場所で、アイさまはそれを裸の股間の前に持ってくる。
未熟な果実を指でこじ開けると、こうおっしゃいます。
「虫さんにシャワーとお風呂のプレゼントだよ? よーく見て? あなたは今からわたしのおしっこをかけてもらうの。逃げたい? そんなわけないよね、だってあなたにとっては最高のご褒美だもの。嫌だったら逃げてもいいんだよ? ふふ、逃げないってことは虫さん、嬉しくて仕方ないんだね。じゃあ、わたしのおしっこに溺れちゃえ!」
その刹那ペットボトルに放尿を始めるアイさま。はじめ、ペットボトルの壁を液体の膜が伝ったと思えば、次の瞬間には地響きのようなおしっこの音が襲ってきます。一瞬フッと熱気がぼくの体を浮かすと、降ってくるのは大量の聖水。ペットボトルの中を窮屈そうに駆け巡り、渦を巻いて小人を溺れさせます。幼い少女の小水などたかが知れた量、なのにそれは何メートルもの水位を誇ってぼくをかき回し、レモンティのような輝きは芳しく、そして中に閉じ込められたひたすら惨めな小さな小虫。
一通りペットボトル内の小虫に散々小水を浴びせかけると、巨大な女神さまはフタを閉め、小虫をその中に幽閉してしまいます。容器の中は湯気立ち、壁は水滴で白く覆われていました。そして泡立った聖水の水面にぼくが浮かび、なんとか生きているのを確認なさいます。ニンマリ笑うと、あとはメチャクチャに容器を振る時間。密閉された牢獄の中、排尿されたあげくそれで揉みくちゃにされるのです。
泡だらけになったそれを放って、アイさまはたいていどこかへ行ってしまう。すると、もはや濃密な香ばしい空気を吸わされ、だんだん冷えていく海の中に漂うほかありません。
そして、それに歓喜を覚え始めた時、ぼくはもう魂の隅々まで支配されているのに気づきました。
だから、もうぼくは幸せでした。たとえそれが、排泄の最中であったとしても。
今、ぼくは肛門を抜け、アイさまに産み落とされます。シワの寄った産道から光が見え、顔が外気に触れた時、ぼくの左右にはあまりに巨大なアイさまの臀部がそびえていました。お尻の間へ、ゲルと腸液のローションでぬるりと身を乗り出すぼく。そして、海へと落下するのです。
実を言うと、この時が最も安らかでした。もはやぼくは何でもない。人でも、道具でも、虫でもない。けれど、この瞬間、たったこの少しの時間だけは、アイさまの排泄物として意味を持てるのです。
ぼくは、惚けたようにアイさまのお尻を見上げました。そして、ゲルが降り注ぐのを待ちます。そしてそれが終わると、聖水をかけられるのを、あるいは、お尻の穴がヒクつくのを、見守るばかり。
それは、虫けらには幸せな時間でした。暖かく、確かな手応えをくれる幸せでした。だからぼくは、アイさまを愛します。心の底から、ありったけの敬意を込めて。
|
|